<論説>ソリッド・サウスの形成 : アメリカ南部におけるネグロ選挙権剥奪運動

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Emergence of the Solid South
  • ソリッド・サウスの形成--アメリカ南部におけるネグロ選挙権剥奪運動
  • ソリッド サウス ノ ケイセイ アメリカ ナンブ ニ オケル ネグロ センキョケン ハクダツ ウンドウ

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説明

ソリッド・サウスの形成に関して、再建史家はこれを再建に帰し、再建期におけるネグロの政治的進出によって生み出された人種的偏見によって、南都の一党制、ネグロの選挙権剥奪が結果されたと強調してぎた。事実、彼らがいうように、再建末期に白人勢力の結集によって、白人のホーム・ルールの回復が見られた。しかし、ここから直ちに再建の直接的結果として、ネグロの選挙権が剥奪され、ソリッド・サウスが出現したと把握することは誤りである。何故ならば、再建後南部の指導権を握ったブルボンは、自己の政治権力を維持するために積極的にネグロの政治的社会的権利を保証せんとしたからである。ソリッド・サウス形成の理由を明らかにするために、われわれは人民党闘争に着目しなければならない。すなわち十九世紀末、農業不況が激化すると共に、南部の農民は人民党を結成し、ネグロと共同してブルボン勢力に対決したのであるが、人民党の挫折と共に闘争は白人優越主義の闘争に堕し、ネグロの金面的な選挙権剥奪を結果した。そしてネグロとプーア・ホワイトの犠姓の上にデモクラットの一党制支配、いわゆるソリッド・サウスが形成されたのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 45 (1), 75-101, 1962-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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