<論説>室町・戦国期の小早川氏の領主制

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タイトル別名
  • <Articles>The Seignorial Regime of the Kobayakawas in Muromachi and Sengoku Era
  • 室町・戦国期の小早川氏の領主制
  • ムロマチ センゴクキ ノ コバヤガワ シ ノ リョウシュセイ

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抄録

国人領主の一典型とされている小早川氏について、惣領制と家臣団の問題を中心として、室町・戦国期の歴史的性格を考察しようとしたのが本稿である。応永末-嘉吉ごろの惣領職の成立は、惣領家沼田小早川氏の在地領主制転換(庶子の統制強化がその中心となる)を明瞭に示すが、転換の時期には独自にそれを促進する役割を果した。同じころ沼田小早川氏は惣領家被官(直臣)を養成し、これと庶子よりなる家臣団を形成し、応仁・文明ごろにはこれらを代官として所領に配置する支紀体制をつくりあげていた。これによって戦国期の沼田小早川氏の領主制は一段と強力なものになった。小早川氏一族の中には、沼田小早川氏、竹原小早川氏、椋梨氏という三つの型の異なった領主制があったが、結局室町・戦国期を通じて椋梨氏を代表とする庶子家は沼田小早川氏に支配され、竹原小早川氏はこれに対抗して独自の領主制を形成する。

収録刊行物

  • 史林

    史林 49 (5), 651-679, 1966-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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