<論文>心理療法において有効な要因は何か? --特定要因と共通要因をめぐる論争--

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  • 杉原 保史
    京都大学学生総合支援センターカウンセリングルーム教授

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タイトル別名
  • 心理療法において有効な要因は何か? : 特定要因と共通要因をめぐる論争
  • シンリ リョウホウ ニ オイテ ユウコウ ナ ヨウイン ワ ナニ カ? : トクテイ ヨウイン ト キョウツウ ヨウイン オ メグル ロンソウ

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抄録

心理療法において有効な要因は何かという問いへの取り組みにおいては, 学派の理論によって説明される治療機序に基づく特定の治療要因を重視する立場と, 治療同盟や共感など学派を超えて共通する治療要因を重視する立場とが, 過去半世紀以上にわたって論争を繰り広げてきた。大きく言うと, 行動療法の流れに属する論者は特定要因を, 洞察志向的な心理療法の流れに属する論者は共通要因を, それぞれ重視する議論を行ってきた。20世紀の後半を通して, 特定要因を重視する立場が次第に優位となってきたが, 近年, 共通要因を支持する立場からも様々なエビデンスが提示され, 力強い主張がなされるようになっている。本小論では, こうした論争の経緯を踏まえて, 心理療法における特定要因と共通要因の働きについて考察する。

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