実験動物としてのブルーギルサンフィッシュに関する研究 : I. 産卵習性について

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タイトル別名
  • Studies on the usefulness fo the bluegill sunfish, Lepomis macrochirus rafinesque, as an experimental standard animal : I. On the breeding habits
  • 実験動物としてのブルーギルサンフィッシュに関する研究-1-産卵習性について
  • ジッケン ドウブツ ト シテ ノ ブルーギルサンフィッシュ ニ カンスル ケンキュウ 1 サンラン シュウセイ ニ ツイテ

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抄録

bluegill sunfish (Lepomis macrochirus Rafinesque) を実験動物として用いるための研究の一部としてその周年探苗を目的とした研究を行なっているが,そのための基礎資料として3才魚を1対ずつ収容した場合の産卵習性について詳細な観察を行なった. 1) 雄は雌にくらべ魚、体がやや大きい上,吻端のまるみが強く胸部の黄燈色が鮮かである. 2) 産卵床は雄が尾鰭を強く振り池底の砂礫を繰り返し堀りおこすことにより作成され,直経30~70cm ,深さ2.5~10cm の浅いすりばち状を呈する. 3) 底質として同一池に3段階の粒度組成の砂礫を用いた場合,産卵床は最も粗い場所として2.0~9. 5 mm 径)にのみ作られたが,次段階の粗砂(主として0.4~4.8 mm径)でもそれを単一に用いた場合には産卵床の作成は支障なく行なわれた.ただ前者では産卵床が産卵の都度新設されたのに対し,後者では同じものが反復使用された. 4) 雄の求愛行動は,産卵が行なわれるまで産卵床作成と平行して続けられ,雌の鰓蓋部や生殖孔付近をつつきながら追尾し産卵床に誘引する. 5) 各産卵に 要する時間は約2 時間であり,その開始時刻は午前9~10時 頃ならびに夕方5時頃が多かった.産卵の際は,つねに雌が雄の内側になり産卵床を共lこ廻りながら,随時休を横にして雄の下にもぐり込み,その休を左右に振って放卵する. 6) 雄は仔魚、の浮上まで産卵床にとどまって卵および卿化仔魚を保護し,産卵した雌を含め侵入者に対し激しく攻撃する. 7) 産卵期は6 月から9 月(水温20~28℃ー午前10 時) にわたり, その間同一親魚が4,5回の産卵を行なう1回の産卵数は約21,000~36,000 (平均26,000) 枇であり,産卵の回数が進むに従いその産卵数が減少する傾向がある.

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