瀬戸内海三原瀬戸におけるイカナゴの夏眠底質環境

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タイトル別名
  • Estivation grounds of the sand lance Ammodytes japonicus (Ammoditidae) in the Mihara Strait, mid-western Seto Inland Sea, Japan
  • セトナイカイ ミハラ セト ニ オケル イカナゴ ノ カミンテイシツ カンキョウ

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抄録

瀬戸内海西部水域は過去に大規模な海砂利採取が為され,潜砂習性を持ち砂中で夏眠するイカナゴ資源の減少が明白な状況にあることから,イカナゴの生息底質の環境悪化が懸念されている。そこで,イカナゴの主要生息地の1つであった安芸灘三原瀬戸において,2014年と2015年の夏期にドレッジ調査を実施し,イカナゴの生息状況と底質性状を分析した。夏眠イカナゴは竹原沖から大三島南部の三原瀬戸西部エリア(3地点)と三原湾細島周辺の三原瀬戸東部エリア(2地点)で確認された。これら5 地点はいずれもイカナゴが好むとされる粒径0.25mm–4.0mmの砂粒子をおよそ80%の重量割合で含む砂底質であった。一方,イカナゴの出現が確認できなかった地点 の砂粒子成分の含有率は有意に低かった。三原瀬戸におけるイカナゴの夏眠生息に適した砂底質の分布は地理的に限られた状態にあり,イカナゴ資源回復を制約する要因になっている可能性が示唆された。

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