アドラー心理学から読む『ラヴェルスタイン』 : ソール・ベローによるアラン・ブルームの回想録

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タイトル別名
  • Analysis of "Ravelstein” through the Scope of Adler’s Individual Psychology : Memoir of Allan Bloom by Saul Bellow
  • アドラー シンリガク カラ ヨム ラヴェルスタイン ソール ベロー ニヨル アラン ブルーム ノ カイソウロク

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抄録

小説『ラヴェルスタイン』は、作家ソール・ベロー(1915-2005)が、シカゴ大学教授アラン・ブルーム(1930-92)の生前の要望に応え、ブルームの死後に出版した回想録だ。小説仕立てにはなっているが、主人公のラヴェルスタインはブルームに、回顧録を書くチックはベローとほぼ同一視できる。親友について綴ることは、その差異において自分自身を再確認する作業でもあるはずだが、回想録を書くにあたりベローの頭の中で、何が「記憶」としてせり出してきただろうか。この論文では、自分のアイデンティティを再確認する目的のために、何が記憶として綴られているかに注目し、テキストを考察する。具体的にはアドラー心理学を援用し、ブルームについて書きながら、彼との対比の中で巧に書き込まれたベローのアイデンティティを顕在化させる。

収録刊行物

  • 研究論集

    研究論集 110 53-66, 2019-09

    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部

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