規範的経済学の非厚生主義的・非帰結主義的基礎―ピグー，ヒックス，センの連結環―

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タイトル別名
  • On the Non-Welfaristic and Non-Consequential Foundations of Normative Economics -Or, What is the Connecting Link Between Pigou and Sen via Hicks?-
  • キハンテキ ケイザイガク ノ ヒコウセイ シュギテキ ヒキケツ シュギテキ キソ ピグー ヒックス セン ノ レンケツカン

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説明

ヒックスは，ロビンズの批判を浴びて挫折したピグーの【旧】厚生経済学の廃墟のうえに，序数的で個人間比較不可能な厚生概念に基づく【新】厚生経済学を建設するうえで，リーダー的な役割を担った．その彼が，1950年代末に公表した《厚生主義との訣別宣言》は，規範的経済学の重要な転機であった．本稿の第１の課題は，1950年代-1960年代に書かれたヒックスの２つの未公刊の文書をも考慮しつつ，ピグーからセンに到る規範的経済学の展開過程でヒックスが果たした役割を評価することである．本稿の第２の課題は，セン以降に開始された非厚生主義的・非帰結主義的な規範的経済学の展開過程で本稿の筆者が推進してきた２つのアプローチを，ピグーからヒックスを経てセンに到る規範的経済学の情報的基礎を巡る展開を背景に，簡潔に述べることである．第１のアプローチはゲーム形式の権利論であり，第２のアプローチは帰結主義と非帰結主義の公理的特徴付けである．

収録刊行物

  • 経済研究

    経済研究 58 (2), 97-109, 2007-04-25

    岩波書店

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