バングラ語と日本語の存在動詞のアスペクト標識としての共通的機能

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  • On the Identical Function of Bangla and Japanese Substantive Verb as an Aspectual Marker

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抄録

この研究の目的は、バングラ語と日本語の存在動詞の形態統語論構造と、その存在動詞のアスペクト標識としての機能を推論することである。バングラ語存在動詞の aach と日本語存在動詞の aru/iruが本研究の中心となる。この二言語は異なった語族に属しているが、バングラ語存在動詞 aach と日本語存在動詞 aru/iru は共に似通った形態統語的特徴を持っている。いずれの存在動詞も、主動詞として述部の中に配置され、存在文を形成する。また、いずれの存在動詞も機能的に欠陥動詞である。なぜなら、これらの動詞は、完全動詞のようにアスペクトとテンスの規則的なパラダイムの中において機能しないからである。主動詞として機能をする以外にも、バングラ語存在動詞と日本語存在動詞はともにアスペクトを示す標識として機能する。これらの動詞は、アスペクトを示す標識として、動詞の基本形とテンス標識の間に置かれる。存在動詞 aach 及びaru/iru は動詞の語幹に後接されたり、動詞の動状名詞に後接されたりして、ともにさまざまなアスペクトを表わす。パングラ語では、aach は動詞の語幹に後接され、日本語では、aru/iru は動詞の動詞状名詞(て- 形)に後接され、ともに継続相のアスペクトを表わす。アスペクトは意味概念を表わすが、存在動詞はアスペクトの(形態統語的)構造を表わす。アスペクトの形態統語的表現は、本動詞に付加的な意味を加えるという意味において、伝統的文法では助動詞と呼ばれている。

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