抄録
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ドイツの作家カトリン・シュミット(Kathrin Schmidt, 1958-)が二〇〇九年に出版した小説『きみは死なない(Du stirbst nicht)』から、第一章「瞬く間に、あるいは(Wimpernschläge oder in the Twinkling of an Eye)」を訳出した。この小説は、脳溢血で倒れた四十代半ばの女性を主人公に、彼女の病気が快復していく過程を、さまざまなエピソードを交えながら描いたものである。シュミット自身がくも膜下出血で倒れており、その体験をもとに書かれたため、とくに病院内の描写はリアルで生々しいところもある。訳出した第一章は、集中治療室に眠る主人公の朦朧とした意識から始まる。現実と幻覚が交錯する彼女の意識や、記憶喪失、失語症、半身不随などの病状が、ときにユーモアを交えながら描かれている。集中治療室にいたのは三週間だが、主人公にとってはごく短い間のことに感じられ、それが「瞬く間に」という副題となる。なお、『きみは死なない』は二〇〇九年にドイツ書籍賞を受賞している。ノーベル文学賞に輝いたヘルタ・ミュラーの作品を抑えて選ばれたため、当時話題となった。
収録刊行物
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- 文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature
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文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature 33 (2), (31)-(52), 2020-03-15
文教大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699878466048
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- NII論文ID
- 120006886265
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- ISSN
- 09145729
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1351/00007626/
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles