3次元加速度センサを用いた「睡眠の質」評価の試み

DOI 機関リポジトリ Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • A trial of evaluation for quality of sleep using a three dimension acceleration sensor
  • 3ジゲン カソクド センサ オ モチイタ スイミン ノ シツ ヒョウカ ノ ココロミ
  • 3次元加速度センサを用いた睡眠の質評価の試み

この論文をさがす

抄録

加齢に伴う生活の質(QOL:Quolity of Life)低下により睡眠の質(QOS:Quality of Sleep)は低下する.QOSを良好に保ち健康的な生活習慣を持つことは,労働衛生の面からも重要である.今回我々は企業労働者を対象に腕時計型3次元加速度センサを装着し,QOS及び昼間の身体活動度について非侵襲的評価を試みたので,その結果を報告する.村田機械(株)(愛知県犬山市)に勤める男性従業員のうち検診結果に基づき保健管理センターにより要生活指導と判定された6名(50.5±2.6歳)を対象とした.被検者は抗加齢QOL共通問診票(Anti-Aging QOL Common Questionnaire: AAQol)を記入し,QOSは腕時計型三次元加速度センサ(アクティグラフ Actigraph, A.M.I., USA)を用いて日中及び睡眠時の体動量を計測し評価した.体動測定はセンサを1週間連続装着し行った.結果解析にはアクティグラフ解析ソフトウェア(AW2,A.M.I.,USA)を用いた.自覚症状および生活習慣に問題は認められなかった.睡眠パラメータは各被検者の1週間の身体活動量から算出した.全ての被検者において睡眠効率は90%以上,平均睡眠時間は6時間以上だった.睡眠時活動量,及び中途覚醒は被検者間で差が生じた.観察期間中に腹痛を発症した被検者腹痛前夜の睡眠中活動量及び中途覚醒回数が増大し,睡眠効率が70%程度に低下し,QOSの低下が示唆された.QOS低下に伴い,次日の日中活動量が低下し,居眠り回数が増加した.以上の結果より,3次元加速度センサによる体動量監視はQOS及び昼間活動度の定量評価に有用な方法である.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ