中国第三者割当増資後の長期パフォーマンス

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タイトル別名
  • Long-run performance following private placements of equity in China
  • チュウゴク ダイサンシャ ワリアテ ゾウシゴ ノ チョウキ パフォーマンス

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抄録

本論文では、2009年1月1日から2010年12月31日までの間、上海・深圳取引所A株株式市場で行われた138件の第三者割当増資の長期株価、業績パフォーマンスを実証分析している。結果、第三者割当増資実施後3年間の株価反応はアウトパフォーマンスが確認された。そして、Tobin'Qの高い企業群は低い企業群に比べ、その株価パフォーマンスが有意に上回っていることが検証された。これは、中国の第三者割当増資に関してover optimism仮説が成立しないことを示している。また、増資公表後から実施前までの期間において、Tobin'Qの高い企業群やプレミアム状態で増資を実施している企業群では有意な正の超過収益率が実証された。これは、短期の正のアナウンスメント効果が過小に評価されていたことを示唆する。さらに、第三者割当増資実施後の業績パフォーマンスに関してはサンプル企業群がコントロール企業群を有意に上回り、業績面におけるアウトパフォーマンスが確認された。これは、株価パフォーマンスが長期的に良いことをファンダメンタルズ面から支持することを示している。

収録刊行物

  • 經濟學論叢

    經濟學論叢 69 (4), 599-639, 2018-03-20

    同志社大學經濟學會

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