存在について : サルトル『存在と無』の緒論を中心に

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  • ソンザイ ニツイテ サルトル ソンザイ ト ム ノ ショロン オ チュウシン ニ

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一 サルトルの大著『存在と無』は、論旨の進め方に多くの問題を卒むにしても、とにかく論理的に組織せられた存在論の原理の上で実存的人間学を現象学的に展開しようとしたものであり、ここで陳述せられるいくつかの基本概念は、これに先行する若干の文芸作品によつて既に示唆されていようとも、それらが合理論的な休系の中で研究されることによつて、はじめて哲学的概念にまで昇華されて来るのであり、いわゆる主観的ないし詩的な立場に終始するかぎり、論理を枢軸として運動すべき哲学本来の姿と称し得ないであろう。……

Journal

  • 人文研究

    人文研究 5 (5), 359-375, 1954

    大阪市立大学文学会

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