在宅虚弱高齢者の安全と閉じこもり予防のための地域づくりプログラムの開発と評価

書誌事項

タイトル別名
  • ザイタク キョジャク コウレイシャ ノ アンゼン ト トジコモリ ヨボウ ノ タメ ノ チイキズクリ プログラム ノ カイハツ ト ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

I. はじめに : 虚弱高齢者が生活の質を保ちながら、安全な在宅生活を送るには、地域住民をまきこんだインフォーマルサービスのネットワークの構築が必要である。閉じこもりがちな高齢者を早期に把握し、必要なケアを提供するために、見まもりが機能する住民組織を地域で育成することも重要である(河野, 2008 ; 本橋ら, 2009)。2007年厚生労働省は「孤立死ゼロ・プロジェクト」を開始し、地域高齢者の孤立死を予防するための、見まもりネットワークづくりを推奨している(高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議, 2008)。地域ネットワークづくりは、成果を明瞭に示しにくく、その実践方法や評価には、学術的な蓄積が十分ではないと考える。高齢者の「閉じこもり」は寝たきりや認知症など、要介護状態のリスクとして考えられることが多いが(Konoら, 2004 ; 渡辺ら, 2005 ; 新開ら, 2005)、最近ではセルフ・ネグレクトや孤独死の前兆であるとの指摘もある(津村, 2009)。アメリカ合衆国のNational Center for Elder Abuseではセルフ・ネグレクトを「自分自身の健康や安全を脅かす高齢者自身の行動であり、適切な食物、水、衣服、家屋、衛生、服薬、安全性などの日常生活の手だてを、明らかに拒否したり、自分で供給しようとしない行動」と定義して(National Center for Elder Abuse, 2011)、問題視している。……

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ