健全なる身体に健全なる精神 : ユウェナーリスの『風刺詩』第10編について

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タイトル別名
  • A Sound Mind in a Sound Body : On Juvenal's Satire X
  • ケンゼン ナル シンタイ ニ ケンゼン ナル セイシン ユウェナーリス ノ フウシ シ ダイ10ペン ニツイテ
  • ケンゼン ナル シンタイ ニ ケンゼン ナル セイシン ユウェナーリス ノ フウシシ ダイ10パン ニ ツイテ

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説明

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という日本語の言い回しは、英語のことわざ“A sound mind in a sound body"から来たものであるが、さらに元をたどれば、ローマの詩人ユウェナーリスの『風刺詩集』第10編第355行の“Orandum est ut sit mens sana in corpore sano."(Mayor, 1983a)にたどりつく。本稿の目的は、この詩行をラテン文法に従って直訳し、さらに前後関係の文脈についても、英語訳を介さずラテン語からの直訳を示すことにある。その結果、この詩行は「健全な精神が健全な肉体にありますように、と祈られるべきである」と直訳できることが分かる。ユウェナーリスは、人間はあれこれ分不相応な欲望を持つけれども、願い事をするならつつましく健全な精神が健全な肉体にありますように、と祈られるべきであると述べているのである。

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