「道徳教育」研究の社会学的考察:大学教職課程教科書及び小学校検定教科書の比較研究

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書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Morality Education Textbooks Based on Sociological Perspective: Focusing University Teaching Course Materials and Authorized Elementary School Textbooks
  • 「 ドウトク キョウイク 」 ケンキュウ ノ シャカイガクテキ コウサツ : ダイガク キョウショク カテイ キョウカショ オヨビ ショウガッコウ ケンテイ キョウカショ ノ ヒカク ケンキュウ

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説明

道徳教育は活動から教科となった。本稿が意図するのは教職課程で道徳教育について何がどう教えられているのか、また小学校の道徳で教科書がどのように構成されているのかを分析することである。まず、大学教職課程で使用される教科書 14 冊を歴史的視点から論述する。次に、実際の小学校で使用されている教科書を 2 冊比較検討する。教科書の選定においては、採択率の大きく異なる 2 種類の小学校教科書(東京書籍 21.3%と学校図書 2.4%)を数量的に、登場人物の国籍及びジェンダーの視点から比較する。結論としては、採択率の多い、東京書籍の方が登場人物における男女比の差は少なく、採択率の少ない学校図書の方が、日本人以外の外国人の比率が多く示された。教育的意義を持つ題材の集合体が教科書であり、国籍やジェンダーに対する題材の配慮は十分になされているにも関わらず、一定の数量の教科書を一つのテキストとして分析対象とすることで、出版社や編集者の意識しない差が、非意識のバイアスとして表出された。

収録刊行物

  • 大學教育研究

    大學教育研究 29 41-56, 2021-03

    神戸大学大学教育推進機構

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