遠藤新の卒業論文 “Description on City Hotel Design”-1914 年に描いた理想のホテルの理念と背景-

書誌事項

タイトル別名
  • Arata Endo’s Graduation thesis “Description on City Hotel Design” ―The concept and the background of the ideal hotel in 1914―
  • エンドウ シン ノ ソツギョウ ロンブン"Description on City Hotel Design" : 1914ネン ニ エガイタ リソウ ノ ホテル ノ リネン ト ハイケイ

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抄録

建築家・遠藤新(1889-1951)の建築論の原点として,東京帝国大学建築学科の卒業論文“Description on City HotelDesign”(シティホテル設計についての解説,1914)を対象としている。論文(英文手書き)の構成と添付図面(手描きインキング仕上げ)を整理し,その背景と特徴を考察する。また,同時に取り組んだ卒業設計 ‘City Hotel’(1914),翌年読売新聞発表の「東京停車場と感想」(1915.1.27-31)との関係を考察する。背景として,1911(明治44)年から10 年間の同学科の卒業論文の表題の変化,後に建築の芸術性について論じた遠藤と対照的に「建築非芸術論」を標榜した同窓で同世代の野田俊彦(1891-1929),当時の講座,指導教官などを取り上げている。それを前提に,遠藤が,帝国ホテル新館(後のライト館)を自ら設計することを想定し卒業論文に取り組んだことを,遠藤自身による敷地の選定,機能分析,既存ホテルの調査などから明らかにした。また,序章を翻訳し,宿泊客の生活に寄り添った理想の環境の提供を設計理念とした過程を明らかにした。同時に,具体的な情報を提供した林愛作,恩師としての土井晩翠と伊東忠太,さらにキリスト教などとの関係について考察する。

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