刃物産地の生き残り戦略 : イギリス・シェフィールドとドイツ・ゾーリンゲンの事例

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  • Survival Strategy of the Cutlery Centers : A Case Study of Sheffield and Solingen
  • ハモノ サンチ ノ イキノコリ センリャク : イギリス ・ シェフィールド ト ドイツ ・ ゾーリンゲン ノ ジレイ

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抄録

世界には有名な刃物産地がいくつかある。その中で、イギリスのシェフィールド、ドイツのゾーリンゲン、そして日本の岐阜県・関は世界三大刃物産地と呼ばれている。なぜ、これらの地域が世界的な刃物産地となりえたのか。本稿ではその理由を明らかにするために、地理的、歴史的要因を中心に論じる。例えばゾーリンゲンは13世紀にはすでに刃物の産地となっている。ゾーリンゲンが刃物産地となった大きな理由の一つがライン川の存在である。ライン川を通じて、貿易都市ケルンに繋がり、多くの製品が世界各国に輸出された。また、支流も含めて水力を利用することができ、そこに鍛冶屋や研磨工などの職人が集まった。シェフィールドもドン川の水力を利用して刃物の産地となっている。これらの地域では、徹底した分業と同業組合などの独自の仕組みにより品質維持が図られている。また刃物に加えて、はさみや食器、調理器具などの新製品に多角化するという企業家精神により産地は発展してきた。

本稿は平成30年度~令和3年度 科学研究費・基盤研究(C)「技能系老舗同族企業における事業・技能継承に関する研究」(課題番号18K01760) (代表者 : 曽根秀一、分担者 : 上野恭裕)の研究助成の成果の一部である。

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