西行の「たはぶれ歌」をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • サイギョウ ノ タ ワ ブレ ウタ オ メグッテ

この論文をさがす

説明

西行の歌集「聞書集」には、「嵯峨にすみけるに、たはぶれ歌として人ゝゝよみけるを」の詞書のもとに、十三首の歌が収められているが、この歌群を以下「たはぶれ歌」と仮称する。この十三首には、作者の幼児体験の回想歌があるため、研究者が折に触れては言及する重要な歌群である。が、これまでの成果を概観すると、「たはぶれ歌」の「たはぶれ」の内容理解や和歌の解釈の面で、納得できないものが少なからずあるので、その諸問題に関して、従前の見解を整理しつつ、私見を提示してみたい。「聞書集」は伊達家旧蔵本の桝型列帖装一帖で、現代は天理図書館の所蔵。まず、昭和五年十月、竹柏会発行(『扶桑珠賓』所収)の「西行上人歌集」複製によって翻刻した『私家集大成中世Ⅰ』によって本文を掲載しておく(下の括孤内の数字は、朝日日本古典全書『山家集』の通し番号。因に、複製本にも直接あたって再点検したが、翻刻に誤りはない)。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ