Changes of the “Music Rhythm” in the Kindergarten Education Guidelines

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  • 幼稚園教育要領における領域「音楽リズム」の内容の変化
  • ヨウチエン キョウイク ヨウリョウ ニ オケル リョウイキ 「 オンガク リズム 」 ノ ナイヨウ ノ ヘンカ

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Abstract

本稿の目的は,幼稚園教育要領における領域「音楽リズム」の教育内容がどのように変化したのか明らかにすることである。領域「音楽リズム」は,「幼稚園教育要領」の6領域「健康,社会,言語,音楽リズム,絵画製作」の一つとして位置付けられてきたものである。戦後の幼児教育では,昭和23(1948)年に「幼稚園教育要領」の前身となる「保育要領―幼児教育の手引き―」が刊行された。「幼稚園教育要領」は,昭和31(1956)年に刊行,昭和39(1964)年,平成元(1989)年,平成10(1998)年,平成20(2008)年,平成29(2018)年に告示と改訂を重ねている(以下,昭和31年版,昭和39年版と略記)。「保育要領―幼児教育の手引き―」では,保育内容が「見学,リズム,休息,自由遊び,音楽,お話,絵画,制作,自然観察,ごっこ遊び・劇遊び・人形芝居,健康保育,年中行事」の12項目から構成された。その後,昭和31年版「幼稚園教育要領」が刊行し,それに伴い領域「音楽リズム」が新設したのである。領域「音楽リズム」は,平成元(1989)年の「幼稚園教育要領」改訂によって6領域が5領域「健康 人間関係 環境 言葉 表現」に改編されるまで幼稚園の教育内容を示す「領域」として扱われた。つまり,領域「音楽リズム」は,昭和31年から平成元年に至るまで,幼稚園の音楽活動の内容を規定してきた歴史があると言える。領域「音楽リズム」は,戦後昭和期における幼稚園教育における音楽活動の一端を表すものであることから,この研究を行うことは,戦後昭和期における幼稚園教育の音楽活動の変化を捉えるための一つの示唆になると考えられた。昭和31年版領域「音楽リズム」の教育内容は,予想される「望ましい経験」が事項として示されていた。一方で昭和39年版領域「音楽リズム」では,教育内容が「望ましいねらいを示したもの」であり,幼児の「経験や活動を通して達成されるべきものである。」と記された。昭和31年版「幼稚園教育要領」の刊行において現場で教科保育に傾斜した教育が行われた課題から,昭和39年版「幼稚園教育要領」では,幼児の発達や情操の育成に即した教育が求められた。このような背景から,昭和39年版では,幼児の活動を重視した教育内容へと変化していると思われたが,昭和39年版領域「音楽リズム」の教育内容は,幼児主体の活動内容を提示しつつも,教師主体の活動内容と捉えられる記述が昭和31年版から引き継がれ混在している内容となっていたことが分析から明らかになった。このようなことから,戦後昭和期は,教師主導,幼児主体となる音楽活動が混在した時期であったと考えられた。本稿はあくまでも公的な資料に基づき分析した結果を示すに留まった。そのため,今後はさらに代表的な実践と関連付けながら,領域「音楽リズム」の教育内容の変化について深耕していきたいことを述べ結びとした。

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