ミュージカルの発声指導法をめぐる考察 : クラシック発声と地声発声

書誌事項

タイトル別名
  • Teaching Musical Vocalization : Classical Vocalization and Musical Vocalization

抄録

学長裁量経費を得た本研究は,ミュージカルの「地声による発声は喉を壊すか」という疑問に端を発する。2018年にミュージカル・コースが新設された国立音楽大学ではクラシック声楽を教える伝統を誇ってきたが,クラシックの歌唱と異なる,地声で歌うミュージカル歌唱はまだ指導法が確立していない。しかも,「地声による発声は喉を壊す」という先入観ゆえに抵抗を感じ,発声に悩む学生は多い。そこで,本研究では「歌うこと」を一から見直し,正しい「地声発声」があるかを,石丸幹二氏の講演,文献研究,身体を重視するヨガと演技の教師のワークショップから探った。そのプロセスの中で,「からだメタ認知」(諏訪,2012)というアプローチを発声指導に取り入れることに思い当たった。学生に自分の歌唱時のからだの状態を認識させ,地声発声が喉を壊さないことを体感させる。2020年秋現在,クラシック歌唱にもう一つの歌唱スキルを加えることができつつある。

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