近現代中国における纏足女性の社会生活の変化 : 雲南省通海県六一村と長河村の事例を通して
書誌事項
- タイトル別名
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- Changes in the Social Life of Women with Bound Feet in Modern and Contemporary China : A Case Study of Liuyi and Changhe Villages, Tonghai County, Yunnan Province
- キンゲンダイ チュウゴク ニ オケル テンソク ジョセイ ノ シャカイ セイカツ ノ ヘンカ : ウンナンショウツウカイ ケン ロクイチソン ト チョウ カワムラ ノ ジレイ オ トオシテ
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説明
纏足とは女性の足の指を幼児期から足の裏に曲げて布で固く縛り成長させない慣習のことをいう。中国で纏足は,宋代から始まり,明清時代には女性の理想像とされ,20世紀初期に農村地域の庶民にまで広がった。民国時代の纏足禁止令と中華人民共和国成立後の社会変化によって,纏足は徐々に廃れていったが,雲南省通海県の村落社会では,取り締まりから逃れ,纏足を行おうとしていた家が多かった。筆者は通海県六一村と長河村で,計8名の民国生まれの纏足女性に対し,聞き取り調査を行うことができた。 纏足に関してはすでに数々の研究が蓄積されているが,古代から近代の民国時代までの歴史研究が圧倒的に多く,毛沢東時代および改革開放以後の纏足女性の生活についてはほとんど調査報告がなされていない。本稿では,民国時代以後,とりわけ現代の纏足女性の社会生活に焦点をあて,家庭内外の労働,地域文化への参与および貢献,老後の新しいライフスタイルといった三つの側面から,近現代の中国社会における纏足女性の生活の変化を検討したい。 本稿は,地域社会の纏足女性の社会生活について,近現代の中国社会における通時的な変化という新しい視点から考察を行い,家庭内外の経済活動ばかりでなく,地域の民俗文化にも纏足女性が主体的に役割を果たしていたことを新たに提示した。また,毛沢東時代と改革開放後の通海県六一村と長河村における纏足女性の実態を記録することができたことにも本研究の意義や価値があると思われる。
収録刊行物
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- 法政地理
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法政地理 52 61-82, 2020-03-20
法政大学地理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290700572418688
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- NII論文ID
- 120007099067
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- NII書誌ID
- AN00226190
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- HANDLE
- 10114/00024094
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- NDL書誌ID
- 030352470
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- ISSN
- 09125728
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可