「～てあげる」「～てくれる」「～てもらう」の文法性判断テスト : 学習者の日本語履修歴とのかかわりにおいて

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  • テアゲル テクレル テモラウ ノ ブンポウセイ ハンダン テスト ガクシュウシャ ノ ニホンゴ リシュウレキ トノ カカワリ ニ オイテ

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type:P(論文)

本稿は、日本語学習者の「やりもらい表現」の文法性判断力に焦点を当て、授受補助動詞についての文法性判断力が、学習者の日本語履修歴とどのように関わっているのかを考察する。特に、授受補助動詞の中のどれが文法性を判断する際困難であるのか、また、困難をもたらす要因は何であるのかを中心に探っていく。過去の研究においても度々第二言語話者による授受補助動詞の習得の難しさが指摘されているが、それらは学習者の産出能力を分析した結果に基づいており、聞き取りの観点から論じたものは数少ない。そこで本稿は学習者の聞き取りによる文法性判断力から授受補助動詞の習得の過程を明らかにすることを試みた。米国の大学で日本語を履修する学習者計58人を対象に、日本語履修歴別に「～てあげる」「～てくれる」「～てもらう」の三種に関し文法性判断テストを行った結果、学習者は履修年度が上がるにつれ、授受補助動詞の文法性を判断できるようになることが判明した。また、履修年数に関わらず「～てあげる」「～てくれる」「～てもらう」の順で判断の正確性が増すことが明らかとなった。正解率の低い問題を個々に検証したところ、履修年数が短い学習者にとっては「～てくれる」「～てもらう」の間の判断が特に困難であることも判明した。このことは、授受補助動詞を習って間もない学習者にとって、助詞を手がかりに「～てくれる」「～てもらう」を区別することが困難であることを示唆している。

This study investigates Japanese L2 learners' ability to recognize the auxiliary verbs te-ageru, te-kureru, and te-morau. A grammaticality judgment task was given to university students enrolled in three different levels of Japanese courses. The participants were asked to listen to short conversations that included one of the auxiliary verbs in question and to indicate whether the auxiliary verb they heard was grammatically correct. A one-way ANOVA indicated that the distinction between te-kureru and te-morau is most difficult for all levels of participants; however, more proficient participants are able to distinguish these two verbs. Overall, the results indicate that determining a speaker's point of view is challenging for L2 learners, because they have to recognize syntactic cues, such as particles "ni" and "ga" in order to determine the benefactor and beneficiary of a favor in a sentence; however, they tend to rely on contextual cues more than syntactic cues.

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