臺灣産オホサシガメTriatoma rubrofasciata (DE GEER) の寄生鞭毛蟲及之が接種によりて發育し來るTrypanosomaに就て(豫報)

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南米に於けるシャーガス病(chagas disease)の重要なる伝搬者はTriatomamegistaであるが同属の酒類は甚だ多数にあつて南米は勿論世界各地の熱帯亜熱帯に分布し、実験的には何れも上の病原体Trypanosoma criuziを伝搬し得ることが説明せられて居る。わが壷湾にも同属の一種Trialoma rubrofasciataが存在しBrumpt及Naivaの実験に依れば本種に於いても亦シャーガス病々原体の発育可能である。然るに壷湾産Triatomaの多数のものの腸管には一種の鞭毛虫が寄生し、携帯は、必ずしも全然ではないTrypanosoma criuziの昆虫体内に於ける発育形に酷似しているが未だ覚て壷湾ではシャーガス病乃至類似のTrypanosoma病は認められて居ない。併し右のTriatomaの人体に封する吸血性は既に一般に知られる所であり、従つて其の寄生鞭毛無視が人体其他の哺乳類の体内に侵入する事により一種のTriatomaに発育し得るや否や、若し発育するものとすれば其病原性如何を追究することは興味あるのみでなく極めて必要なる事項に属する。余は昨年本来鞭毛虫の発育に手を染め、本年に入りて更にこれを続行して其感染試験を実施し、終に本鞭毛虫のマウス体内摂取により一種のTriatomaとして発育し来ることを知りえたので此処に従来の実験成績を極めて簡単に記述して続報と致したい。

Journal

  • 動物学雑誌

    動物学雑誌 41 (486), 178-183, 1929-04-15

    東京動物學會

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