部族アイデンティティの活性化と諸外国の介入 : リビア内戦長期化の要因に関する一考察

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タイトル別名
  • Tribal Identity Revigorated and Foreign Intervention : Reflection on Primary Factors of the Protracted Civil Wars in Libya
  • ブゾク アイデンティティ ノ カッセイカ ト ショ ガイコク ノ カイニュウ : リビア ナイセン チョウキカ ノ ヨウイン ニ カンスル イチ コウサツ

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説明

2011年のカダフィ政権崩壊後、現在(2020年9月)に至るまで、リビアは内戦状態にある。同時期に長期政権が崩壊した隣国チュニジアでは比較的円滑に新政府が誕生した一方で、シリアやリビアでは内戦化した。本稿では、リビア内戦長期化について、内的要因として同国の歴史において重要な政治・経済・社会構造であった部族と、外的要因としての諸外国の介入に注目し分析をおこなった。王政下での部族・血縁関係重視の政治を公式には否定したカダフィ政権下で、逆に部族構造が強化され、同政権崩壊後の内戦においても部族の支持の有無が勢力拡大において重要性を持つ点を明らかにし、内戦終結には諸外国の介入停止と諸部族の意思を反映させるシステム構築が不可欠であるとの結論を導いた。また長期的には国民意識の形成が求められる点も指摘した。

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