小学4年生を対象とした静的ストレッチングの取り組みによる効果検証

  • 津島 愛子
    岡山大学学術研究院教育学域(養護教育) 兵庫教育連合大学院(博士課程) 岡山済生会総合病院(整形外科)
  • 三村 由香里
    岡山大学学術研究院教育学域(養護教育)
  • 棟方 百熊
    岡山大学学術研究院教育学域(養護教育)

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of the effects of the static stretching program for fourth-grade students
  • ショウガク 4ネンセイ オ タイショウ ト シタ セイテキ ストレッチング ノ トリクミ ニ ヨル コウカ ケンショウ

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抄録

<p>本研究の目的は、小学4年生を対象に安全で簡単な静的ストレッチングを実施し、その効果を長座体前屈や運動器検診の結果を用いて検証し、学校において実行可能で効果的な静的ストレッチングの実施方法を明らかにすることである。岡山県公立小学校6校に在籍する小学4年生645人を対象とした。静的ストレッチングを月1回実施群81人、週1回実施群102人、週3回実施群109人、非実施群353人の4つの群で調査した。ストレッチングは、クラス単位で学級担任の指示または、指導用のDVDを用いて実施した。ストレッチングの対象部位は、ハムストリングス、大腿四頭筋、下腿三頭筋など下肢が中心であった。ストレッチングの時間は、各部位約15秒間両側1回ずつ合計で約3分間実施した。ストレッチングの実施期間は、月1回実施群のみ5ヶ月で、それ以外の実施群は3ヶ月であった。</p><p>介入前後の長座体前屈の変化において、男子は週3回実施した群4.2±7.0cmが、非実施群1.2±6.6cm、月1回実施群0.5±6.9cmと他の群と比較して有意に大きかった(p <0.05)。女子は週3回実施した群4.0±8.2cmが、月1回実施群-0.03±5.3cmに比較して有意に大きかった(p <0.05)。運動器検診の結果では、肩・肘・下肢の柔軟性に関する項目や疼痛症状を有する児童の割合に群間差はなかった。したがって、小学4年生に対して学校で3ヶ月、週3回の静的ストレッチングを実施することは、柔軟性向上に有効であることが示唆された。</p>

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