TDRを用いた水中ファインバブル濃度推定手法の検討

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タイトル別名
  • Estimating fine bubble concentration in water with a time domain reflectometry
  • TDR オ モチイタ スイチュウ ファインバブル ノウド スイテイ シュホウ ノ ケントウ

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抄録

近年,揮発性汚染物質による地下水汚染の浄化方法としてファインバブル(FB)の利用が検討されており,FBの土壌中の挙動解明が進められている.その中で,水中,土中のFB濃度の原位置測定法が求められている.本研究では水中のFB濃度に注目し,土壌水分量の測定法として普及している時間領域反射法(TDR)を用いた推定手法を検討した.蒸留水および界面活性剤溶液中でFBを発生させ,3つのサイズの異なるTDRプローブで比誘電率の変化を測定した.TDRプローブは水面に対して水平,または鉛直上向きに設置した.その結果,蒸留水中のFB濃度は低濃度のため推定が困難だが,界面活性剤溶液中のFB濃度は推定できる可能があることが示された.FBに由来する比較的大きな気泡がTDRプローブに付着することでFB溶液の比誘電率変化が過大評価されるが,比較的大型のプローブを水面に対して鉛直上向きに設置することで気泡の影響を軽減できることが明らかになった.また,比誘電率からFB濃度へ換算する際にはdielectric mixingモデルの使用がより適切であると考えられる.以上のことからTDRによるFB濃度の推定手法は,原位置で簡単に全粒径の合計濃度が推定できる有効な手法である可能性が示された.今後は他の手法との比較が必要となる.また,土中のFB濃度推定へのTDRの活用も期待される.

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