手掌に優位な分布を呈したStevens-Johnson症候群の1例

  • 髙田 佳子
    順天堂大学医学部附属静岡病院 皮膚・アレルギー科
  • 野口 篤
    順天堂大学医学部附属静岡病院 皮膚・アレルギー科
  • 千田 香織
    順天堂大学医学部附属静岡病院 皮膚・アレルギー科
  • 長谷川 敏男
    順天堂大学医学部附属静岡病院 皮膚・アレルギー科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of Stevens-Johnson syndrome with a rash predominantly on the palms.
  • シュショウ ニ ユウイ ナ ブンプ オ テイシタ Stevens-Johnson ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

25歳女性.月経痛に対してアセトアミノフェン,片頭痛に対してエレトリプタンを不定期に内服していた.初診の4日前に発熱があり市販の葛根湯とロキソプロフェンナトリウム水和物を内服し,その後咽頭痛が出現した.翌日より手掌に皮疹が出現し,近医で処方されたレボフロキサシンとアセトアミノフェンを内服した.その2日後に眼脂,手掌の疼痛,排尿時痛が出現して当科を紹介受診した.初診時に発熱,両眼球充血,口唇,口腔内および陰部のびらん,手掌の標的状紅斑があり,手掌部の皮膚生検で表皮全層の壊死があり,Stevens-Johnson症候群(SJS)と診断した.臨床経過とDLSTの結果からロキソプロフェンナトリウム水和物が被疑薬と考えた.プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム1 mg/kg/日投与を開始した.第3病日に手掌の水疱が拡大したため,1.5 mg/kg/日に増量した.第4病日より経口摂取が可能となり,第13病日に眼脂が減少傾向に転じ,以後プレドニゾロンを漸減した.SJSの皮疹は通常体幹から始まり手掌にはほとんど病変を生じないが,今回我々は手掌に優位な分布を呈するSJSの一例を経験した.皮疹が体幹に生じず手掌に優位な分布を呈する場合もSJSの可能性を考慮し粘膜症状および全身症状に注意して対応する必要があり文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (3)*注記

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