監査研究における学術界と実務界の連携に向けて

書誌事項

タイトル別名
  • Toward Collaboration between Academia and Practitioner in Audit Research
  • カンサ ケンキュウ ニ オケル ガクジュツカイ ト ジツムカイ ノ レンケイ ニ ムケテ

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説明

<p>一般に,何らかの規制設定を行う際に,学術界によって提供された証拠は数ある判断材料の1つとして重視されるべきと考えられる。しかしながら,規制設定者によるリリースの多くには,学術界によって蓄積された事実解明的研究(Positive Research)について一切触れられていない。</p><p>本稿は,監査研究における学術界と実務界の連携のあり方および具体的方策について,さまざまな研究アプローチの観点から検討を行うものである。本稿で慎重に検討した結果,①これまでにわが国において研究者と実務者が共同して執筆した学術論文は極めて少ないこと,②実務界の協力が得られた場合にはわが国における監査論領域の研究機会が飛躍的に高まること,③学術界と実務界(および規制設定者)との間には監査研究に対する深刻な情報の非対称性が存在し,これを緩和するための方策が学術界にとって肝要であること,がそれぞれ判明した。学術界と実務界の連携の促進は,監査論研究の一層の発展をもたらすだけではなく,実務および規制設定に資する理論および証拠を提供できる可能性を高めるであろう。</p>

収録刊行物

  • 現代監査

    現代監査 2021 (31), 33-42, 2021-03-31

    日本監査研究学会

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