両側乳房全切除術に至った両側異時性肉芽腫性乳腺炎の1例

  • 冨田 香
    滋賀医科大学医学部附属病院腫瘍センター 滋賀医科大学乳腺・一般外科 国立病院機構東近江総合医療センター外科
  • 河合 由紀
    滋賀医科大学乳腺・一般外科 国立病院機構東近江総合医療センター外科
  • 北村 美奈
    滋賀医科大学乳腺・一般外科
  • 能島 舞
    滋賀医科大学医学部附属病院病理診断科
  • 森谷 鈴子
    滋賀医科大学医学部附属病院病理診断科 国立病院機構東近江総合医療センター検査科
  • 目片 英治
    国立病院機構東近江総合医療センター外科
  • 谷 眞至
    滋賀医科大学乳腺・一般外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Bilateral Metachronous Granulomatous Mastitis Leading to Bilateral Total Mastectomy
  • リョウガワ チブサ ゼン セツジョジュツ ニ イタッタ リョウガワイジセイ ニクゲシュセイ ニュウセンエン ノ 1レイ

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説明

<p>肉芽腫性乳腺炎(granulomatous mastitis:以下,GM)は稀な乳腺の慢性炎症性疾患である.肉芽腫や膿瘍形成を特徴とするが,診断・治療に難渋することが多い.今回われわれは,両側性・異時性にGMを発症し,最終的に両側乳房全切除術に至った症例を経験した.</p><p>症例は34歳,女性.右乳房に広範な乳腺炎を発症し前医を受診.GMを疑われたが針生検では診断に至らず.経過中,結節性紅斑が出現しステロイドパルス療法を受け,乳腺炎の症状も改善した.その後ステロイドは漸減,終了した.</p><p>その7カ月後,左乳腺炎となり,針生検でGMと診断された.ステロイド治療を開始されたが,減量を試みるたびに増悪した.保存的治療は7カ月間継続したが,両側乳房全切除術を強く希望し,当院へ紹介となった.</p><p>両側乳房に対し乳頭温存乳房全切除術を施行したところ,治癒したと考えられた右乳房にも肉芽腫が見られ,両側ともにGMの病理診断に至った.その後,症状の再燃なく経過している.</p>

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参考文献 (6)*注記

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