看護師によるマスク換気時のヘッドバンド使用が換気量およびマスクフィット圧力分布に与える影響

DOI
  • 大澤 翔
    横浜市立大学大学院医学研究科看護学専攻周麻酔期看護学分野
  • 福田 真佑
    横浜市立大学大学院医学研究科看護学専攻周麻酔期看護学分野
  • 赤瀬 智子
    横浜市立大学大学院医学研究科看護学専攻周麻酔期看護学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of a headband on mask ventilation volume and mask fit pressure distribution: A randomized crossover trial
  • −気道シミュレータを用いたクロスオーバー試験−

抄録

看護師によるマスク換気にヘッドバンド(HB)を使用することの有効性を,換気量とマスクフィット圧力分布に着目し検証することを目的とした.看護師40 名を対象としてクロスオーバー法で調査を行った.対象者は気道シミュレータに従来用いられているE-C クランプ法(親指と人差し指でマスクを保持し残りの指で下顎を挙上する方法,以下C法)と,C法に加えてHB を使用する方法(以下H 法)でのマスクフィットを行った.換気量に加え,圧力測定シートを用いてマスクフィットの圧力分布を測定した.結果,換気量はH法のほうが有意に増加した.圧力値は,鼻部,右頬部,右口角部,左口角部でH法が有意に高く,加圧面積は顎部以外のすべての部位でH法が有意に高かった.さらに,C法とH法の最大換気量の差には右口角部の加圧面積の差が最も影響していた.これらのことから,看護師によるマスク換気にHB を使用することで,E-Cクランプ法よりも右口角部がカバーされ,換気量が増加する可能性が示唆された.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br>→ 院内急変などの緊急処置時に看護師が行う呼吸管理技術としてマスク換気があるが,マスク換気を行う際に適切なマスクフィットが行えないことによるエアリークが問題となる.<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→ 周麻酔期看護師として麻酔管理に携わるなかで,効果的にマスクフィットが行えなかった経験が本研究を行うきっかけとなった.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 看護師による適確なマスク換気技術のための基礎的資料となる.将来的には安全かつ効果的なマスク換気技術実施のためのデバイス開発に繋げたい.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→ マスクフィットの圧力分布を時間軸に沿って測定できる機器が必要である.これにより,より簡便かつ適切なマスクフィットを補助できるヘッドバンドの発展形を提案したい.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290929792308352
  • NII論文ID
    130008149424
  • DOI
    10.24462/jnse.9.0_60
  • ISSN
    24326283
    21884323
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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