ツキノワグマ(<i>Ursus thibetanus</i>)はタンニン結合性唾液タンパク質の分泌能を有するか

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タイトル別名
  • Does the Asiatic black bear (<i>Ursus thibetanus</i>) have the ability to secrete tannin-binding salivary proteins?

抄録

<p>ツキノワグマ(Ursus thibetanus)は秋季にミズナラ(Quercus crispula)やコナラ(Q. serrata)などの堅果類を大量に採食し脂肪を蓄える.しかしながら,堅果類に含まれ,渋みの成分であるタンニンは消費者にタンパク質消化率の低下や消化管の機能不全などの負の影響を及ぼすことが知られており,これまでツキノワグマがタンニンに対してどのように対応しているのかわかっていなかった.本研究でツキノワグマの唾液腺である耳下腺を分析したところ,本種がタンニン結合性唾液タンパク質であるプロリンリッチプロテイン(PRPs)の分泌能を有することを確認した.ツキノワグマのPRPsはプロリンを25%含み,コナラから抽出したタンニンに対する相対的な結合力はウシ血清アルブミンの13倍であった.耳下腺は9月以降大きく肥大し,その時期に耳下腺乾物1 gあたりのPRPs産生量も増加していた.</p>

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 62 (1), 11-20, 2022

    日本哺乳類学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390291115021518976
  • NII論文ID
    130008158652
  • DOI
    10.11238/mammalianscience.62.11
  • ISSN
    1881526X
    0385437X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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