外科的治療によって嚥下障害の改善を認めた茎状突起過長症の1例

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  • A CASE REPORT: SURGICAL TREATMENT OF EAGLE SYNDROME

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抄録

<p> 茎状突起過長症は, 茎状突起の延長または茎突舌骨靭帯の骨化により, 咽頭痛, 咽頭違和感, 耳痛などさまざまな症状を呈する疾患である。 茎状突起過長症の治療は, 症状が軽微であれば経過観察または消炎鎮痛薬の使用などの保存的治療が一般的であるが, 場合によっては外科的治療が選択されることもある。 今回われわれは, 嚥下困難を主訴にした長大な茎状突起過長症に対し茎状突起切除術を施行し, 嚥下障害が改善した症例を経験したので報告する。</p><p> 本症例は, 2年前からの嚥下困難があり他院からの紹介で当院を受診した。 身体所見では両頸部に胸鎖乳突筋内側縁に沿った硬結を触れ, 喉頭挙上障害を認めたが, 喉頭内視鏡では明らかな異常を認めなかった。 精査のためCTを施行し, 右茎状突起の舌骨との連続を認め茎状突起過長症と診断した。 外科的切除を施行し, 術後は嚥下障害の改善を認めた。</p><p> 本症例の治療は, 舌骨との癒合の解除が必要であり, 嚥下障害の改善のためには外科的切除が必要であった。 口内法でのアプローチも選択肢として挙げられるが, 茎状突起が長大である場合は外切開法が望ましいと考える。 症状は術後早期に改善を認めることが多いが, 再骨化や症状の再発を認める例もあり, 長期の経過観察が必要と思われる。</p>

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