千葉県内の小児歯科診療所に来院した患児における歯磨剤の利用状況に関する調査

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  • Use of Fluoride Toothpaste by Pediatric Patients at Dental Clinics in Chiba Prefecture

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抄録

<p>時代に即して変わっていく小児の生活習慣を踏まえ,口腔衛生指導の方法を探ることが必要である。本研究では,千葉県の歯科診療所の小児歯科を受診した13歳未満の383名を対象に歯磨剤に関するアンケート調査を行い,以下の結論を得た。</p><p>1.フッ化物配合歯磨剤の使用率は,対象者全体の88.6%であり,6~12歳では91.0%であった。</p><p>2.使用中の歯磨剤のフッ化物配合濃度に関して『わからない』と回答した者が最も多く,日本口腔衛生学会のガイドラインで推奨されるフッ化物配合歯磨剤の濃度を選択し,かつ推奨量を使用している者は0~2歳では9.5%,3~5歳では1.0%,6~12歳では10.5%と非常に少数であった。</p><p>3.フッ化物の効果・効能に関して『知っている』『少し知っている』と回答した者は81.8%を示し,場所は『歯科医師や歯科衛生士に教わって』と回答した者が最も多かった。</p><p>4.歯磨剤の選択理由では『むし歯の予防のため』『フッ化物が入っているから』が上位を占めた。</p><p>以上から,フッ化物配合歯磨剤のフッ化物の効果・効能の認知はされているが,年齢ごとの適正濃度・使用量に関する認知には至っていなかった。今後,指導に加えるべき内容として,年齢ごとのフッ化物配合歯磨剤の用法・用量の的確な指導が挙げられ,歯磨剤添付文書のパッケージに配合フッ化物濃度が記載されるようになれば,適切な使用法の実践に有用と考えられる。</p>

収録刊行物

  • 小児歯科学雑誌

    小児歯科学雑誌 59 (1), 1-7, 2021-02-25

    一般財団法人 日本小児歯科学会

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