COVID-19ワクチンの有効性と安全性

  • 西 順一郎
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科微生物学分野 鹿児島大学病院感染制御部

書誌事項

タイトル別名
  • Effectiveness and Safety of COVID-19 Vaccine
  • COVID-19 ワクチン ノ ユウコウセイ ト アンゼンセイ

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抄録

<p> COVID-19 mRNAワクチンの発症予防効果は、わが国でも95%と高いことが報告された。海外では発症予防だけでなく、感染予防効果も85~92%と報告されている。ウイルスベクターワクチンも、海外で70%程度の有効率が報告され有用である。しかしいずれのワクチンも数か月で抗体価が減衰し、免疫回避力を持つデルタ株の蔓延とともに、ワクチンの有効性低下が懸念される。今後高齢者やハイリスク者を対象に、3回目のブースター接種の検討が必要である。mRNAワクチン接種後は接種部位の疼痛や発熱が比較的多く、わが国ではとくにモデルナのワクチン2回接種後の37.5℃発熱の頻度が78%と高い。しかし、重篤な健康被害はまれであり、アナフィラキシーや心筋炎も100万接種当たり数例程度である。ワクチンの利益は副反応のリスクに比べてはるかに大きく、今後接種率上昇が望まれるが、12歳未満での接種については慎重な議論が必要である。</p>

収録刊行物

  • 学術の動向

    学術の動向 26 (10), 10_18-10_25, 2021-10-01

    公益財団法人 日本学術協力財団

参考文献 (36)*注記

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