固体酸担持金ナノ粒子触媒を用いた室温での空気浄化反応

  • 村山 徹
    東京都立大学大学院都市環境科学研究科附属水素エネルギー社会構築推進研究センター
  • LIN Mingyue
    東京都立大学大学院都市環境科学研究科附属水素エネルギー社会構築推進研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Solid Acid-supported Gold Nanoparticle Catalysts for Air Purification at Room Temperature

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抄録

<p>化学工業プラントから排出されるガスや生活環境から臭気 · 有害物質を除去する方法の一つに,触媒的無害化がある。このプロセスは,省エネの観点から高活性な触媒の開発により,反応温度を下げる必要がある。また,副生物の生成を避けるために触媒は高選択的である必要がある。本報告では,臭気・有害物質の例としてCOとNH3に着目し,室温付近でこれらの無害化反応を進行させることが可能な担持金ナノ粒子触媒の開発を紹介する。担持金ナノ粒子触媒は,Nb2O5やTa2O5を担体に用いた。Nb2O5やTa2O5は等電点が低いため酸化物表面が負に帯電し,これまで広く使用されているHAuCl4前駆体を用いた沈殿法では,陰イオンとして存在する金前駆体が相互作用せず金ナノ粒子を担持させることが困難であった。我々は,コロイドゾル固定化法を利用することにより,平均金粒子直径が約2.7 nmであるAu/Nb2O5やAu/Ta2O5を調製することに成功した。これらAu/Nb2O5およびAu/Ta2O5触媒は,室温にて1 % CO(SV=20,000 mL h−1 gcat−1)に対して100 %の転化率を示した。Au/Nb2O5触媒は,室温にて50 ppm NH3(SV=40,000 mL h−1 gcat−1)に対して20 %転化率(N2への選択率100 %)を示した。また,両反応に対する触媒活性は担体の結晶構造に依存することも分かった。NH3の選択的触媒酸化においては,担体表面のブレンステッド酸点が高い選択性の発現に重要であることを明らかにした。この反応は,金ナノ粒子触媒の低温での酸素活性化能と担体の酸点の相乗効果により促進される触媒反応の一例と考えられる。</p>

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