生物企業システムと農産物の流れ

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タイトル別名
  • Bio-business system and work flow of agricultural products
  • セイブツ キギョウ システム ト ノウサンブツ ノ ナガレ

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説明

<p>生物企業という概念は、生物の生産、加工から、集荷、流通、販売及び処理を一体的に経営する企業を意味するが、その全体像は具体的に明確に捉えられていない。そこで本研究では、生物企業の経営活動を業務という要素で捉え、その関係性や因果関係を工学的に解明することを試みた。具体的には、生物企業を「生物の生産、加工、集荷、選別、保管、出荷、運搬、卸売、販売等の全般、更には堆肥生産、廃棄物処理を含めた、ある総括的な単位(経営体、組織体、活動等)」と定義し、システム概念図(構造業務システム)を作成した。システム概念図は生物企業システムの個別業務を長方形のボックスで表し、その連鎖系を図示したものである。そして、関連する構造業務の集まりを「プロセス」という概念で括り、システム全体を①生産・廃棄プロセス、②仲介・処理プロセス、③卸売・販売プロセスの3つのグループに分類した。これらの業務活動には機能的側面が付随しており、これらを機能業務システムとして整理した。この機能業務システムは、生物企業の経営活動から発生する情報処理、経営(狭義)、環境保全(廃棄物処理を含む)の3機能業務が含まれる。本研究では定義した業務システムの有効性を検証するため、野菜生産を中心とする7箇所のJAを事例として取り上げ、生産物の流れを調査した。その結果、取り扱い農産物によって構造業務間の関連や流通経路、流通量に違いが見られたが、その殆どの活動はシステム概念図に含まれるものであり、構造業務システムの有効性が認められた。最後に、構造業務分析と現地調査をもとに野菜の生産から加工、流通、販売、消費、廃棄までの経路を中心にモデリングし、フローダイアグラムとして表した。このフロー図により、野菜を中心とする生物企業システムが対象とする領域を明確にすることができた。</p>

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