バントゥ諸語における否定および焦点表示形態論に関するミクロ類型論的連動関係

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タイトル別名
  • Micro-typological Covariation of Negation and Focus Marking Morphology in Bantu Languages

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説明

<p>本研究は,「バントゥ諸語形態統語バリエーションデータベース(BMV)」(Marten et al. 2018)にまとめられた計量的データをもとに,バントゥ諸語における否定表示と焦点表示との間に見られる言語構造上の類型論的な相関関係を明らかにすることを目的としている。BMVは,バントゥ諸語内部の形態統語論レベルの類型的多様性を把握するための142 のパラメータ(Guerois et al.2017)に基づいて構築されているが,そのうちの否定表示に関する4 つのパラメータと,形態論的焦点表示形式(MFM)の有無に関するパラメータの値の連動関係の分析からバントゥ諸語における否定表示と焦点表示との間に見られる言語構造上の類型論的な相関関係を明らかにすることを目的としている。BMVにおける主節動詞の否定に関する4つのパラメータと,形態論的焦点表示形式(MFM)の有無に関するパラメータの値の連動関係の分析から,i)動詞後否定表示を行う言語は高い確率でMFMを有し,またii)明示的なMFMを有さない言語は動詞否定接頭辞表示を用いる顕著な傾向がある,という2点が有意な傾向として導出された。これに対し,否定の内在特性としての焦点性,動詞後否定詞の文法化過程,そして動詞外否定構文における焦点対照性という3点からミクロ類型論的な解釈を試みた。</p>

収録刊行物

  • 言語研究

    言語研究 160 (0), 215-248, 2021

    日本言語学会

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