局所進行頭頸部癌に対する PCE 導入化学療法の意義

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<p> 導入化学療法は頭頸部進行癌に対する機能温存治療として広く行われ, NCCN, ESMO, 日本の診療ガイドラインにおいて, 臓器別に推奨される適応が定められている. 1991年の VA study を皮切りに, 主に進行喉頭癌に対し喉頭全摘を回避し, 喉頭温存率の向上のために登場したが, 現在では各ガイドラインによって内容は異なるものの, 上咽頭癌, 中咽頭癌, 下咽頭癌, 喉頭癌において推奨されている. 口腔癌に対する導入化学療法の有用性については十分なエビデンスは出ていないが, 複数の第Ⅲ相臨床試験で, 機能温存に貢献する可能性が示されている. 日本臨床腫瘍学会のガイダンスでは第一推奨レジメンは TPF (ドセタキセル, シスプラチン, 5FU) であるが, 強力な骨髄抑制による治療関連死の問題, TPF 後にシスプラチン併用化学放射線療法 (CRT) が遂行困難となる問題などがあった. PCE 療法 (パクリタキセル, カルボプラチン, アービタックス) は, 有害事象は少なく, かつ高い効果が見込まれるレジメンで, 国内外において第Ⅱ相臨床試験が行われ, その高い有用性が示された. また外来で施行可能なこと, 後治療として CRT も可能なこともメリットである. 今後, 実臨床データの蓄積が期待される.</p>

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