飲酒前後のカキ‘西条’果実摂取がヒト血中のエタノール濃度に及ぼす影響

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  • Effect of Ingestion of the Japanese Persimmon 'Saijo' Fruit on Ethanol Levels in the Blood of Humans and Rats

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説明

<p> 渋ガキ‘西条’果実は,酩酊したヒトの体調の悪化を緩和できることが知られている。本研究では,カキを摂取することで飲酒後血中エタノール濃度の低下に寄与できるかどうかを評価するために,ヒトを対象に飲酒前後にカキ(カキ果実,あんぽガキまたはカキ抽出液)を摂取したときの血中エタノール濃度を調査するとともに,飲酒前のリンゴ摂取との比較も行った。また,ラットに対して,アルコール摂取前にカキ抽出液を投与して血中濃度を測定した。さらに,カキ抽出液を投与したラットの血漿中の抗酸化力(鉄還元能FRAP値)の変化とフラボノイドの有無を調べた。その結果,ヒトへの飲酒前のカキ摂取において,血中エタノール濃度はアルコール摂取後1時間で対照およびリンゴ摂取よりも有意に低くなった。さらに,アルコール摂取前にカキ抽出液を投与したラットについても,有意差はないものの同様の傾向が認められた。一方,飲酒後にカキを摂取した被験者の血中エタノール濃度は,対照と比べて有意差が認められなかった。カキ抽出液を投与したラットの血漿中にはフラボノイドは検出されず,FRAP値の増加も認められず,むしろFRAP値は減少する傾向さえみられた。これらのことから,本研究は,飲酒前のヒトに,カキ果実中に含まれる機能性成分であるカキタンニンを,単独もしくは他の成分とともに摂取させることによって,血中エタノール濃度を低下させる効果があることを示した。カキの機能性成分は血中に移行しないため,これらはヒトの胃の中でエタノールを吸収し,胃腸の上皮表面からのエタノールの吸収を抑制するものと考えられる。</p>

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参考文献 (33)*注記

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