現代日本語における漢語副詞の仮名表記問題に対する一考察 : 「現代日本語書き言葉均衡コーパス」を用いた計量的調査

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  • A Study on the Kana Notation of Kango Adverbs in Japanese : A Quantitative Survey Using BCCWJ Corpus

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抄録

本研究は,「現代日本語書き言葉均衡コーパス」(BCCWJ)を用い,漢語の仮名表記問題に対して,(1)表記のゆれがどの程度存在しているのか,(2)表記選択に影響する要因はどのようなものか,(3)表記のゆれが存在する語彙について異なる表記に意味やニュアンスの違いが存在するかを調査した。その結果,(1)漢語副詞・形状詞に絞った場合,仮名表記を持つ漢語の数は全漢語の7割程度を占めているが,仮名表記を持つ漢語のうち7割以上は「局所的・例外的出現」のレベルを超えない範囲で仮名表記を使用していること,(2)影響要因について,仮名表記率と音転訛率との間に中程度の相関があり,また,漢語の意味分野と関係していること,(3)漢語「奇麗」を例とした場合,表記の選択は使用される分野による影響が大きく,また,カタカナ表記「キレイ」は他の表記より名詞用法に多用され,視覚的にきわだたせる効果を発揮する傾向があること,などが明らかになった。

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