日本のアナフィラキシーの実態:日本アレルギー学会認定教育研修施設におけるアナフィラキシー症例の集積調査

書誌事項

タイトル別名
  • CURRENT SITUATION OF ANAPHYLAXIS IN JAPAN: DATA FROM THE ANAPHYLAXIS REGISTRY OF TRAINING AND TEACHING FACILITIES CERTIFIED BY THE JAPANESE SOCIETY OF ALLERGY
  • ニホン ノ アナフィラキシー ノ ジッタイ : ニホン アレルギー ガッカイ ニンテイ キョウイク ケンシュウ シセツ ニ オケル アナフィラキシー ショウレイ ノ シュウセキ チョウサ

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抄録

<p>【背景・目的】アナフィラキシー(以下An)に関する全国的な疫学調査はない.わが国のAnの誘因および治療の実態を明らかにする.</p><p>【対象と方法】日本アレルギー学会認定教育研修施設を調査対象とし,2015年2月~2017年10月に同施設内で発症または救急受診したAn患者の誘因や治療内容等をweb上のアンケートフォームに入力する方法で前向きに集積した.</p><p>【結果】451施設中79施設(18%)が研究へ参加し,計767例(18歳未満:73%,院内発症:7%)を集積した.誘因は食物68%,医薬品12%,食物依存性運動誘発アナフィラキシー5%,昆虫刺傷4%,経口免疫療法3%の順に多く,院外発症では食物,院内発症では医薬品が最多であった.医療機関でのアドレナリン(以下Ad)筋肉注射使用率は38%で,そのうち10%は複数回の投与を要した.院外発症例のAd自己注射薬使用率は12%であった.</p><p>【結語】わが国のAnの主な誘因と治療状況が明らかになった.An発症時のセルフマネジメントおよび初期治療としてのAd投与は必ずしも適切に行われておらず,An患者への指導の徹底や医師へのAnに関する啓発が必要である.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 71 (2), 120-129, 2022

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (2)*注記

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