就労を通じた若者の社会的包摂 : 地域若者サポートステーション利用経験者の事例から

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タイトル別名
  • Social Inclusion of Young People through Work: Focusing on Regional Youth Support Stations

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説明

本稿では、若者就労支援事業の1つである地域若者サポートステーション(サポステ)事業の利用経験者の事例をもとに、就労困難な若者が就労を達成するまでのプロセスと、就労達成後の状況について検討する。そこから、就労達成までのプロセスにおいて、サポステが単なる就職活動のための技能に留まらない、参加や承認の場といった包括的な支援を提供していたことがわかった。一方そうした支援が機能して就労に結び付くものの、「巨大なルート」を外れたサポステ利用者の就労後の状況は、現代の日本社会においては不安定な就労環境にならざるをえないため様々な問題をはらむことも明らかとなった。加えて、今回の事例として取り上げた利用経験者の支援において有効に機能した包括的な支援は、近年「就労に特化する」支援展開をみせているサポステ事業のなかで存在感を薄めている。そうしたなかでサポステのスタッフは、事業の流れと現場にやってくる就労困難な若者への対応の実態との間で、それまでの活動が行いづらくなるというジレンマを抱いていると考えられる。これらの点を踏まえて、今後就労と社会的包摂の関係を考えていく必要がある。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390291767682318720
  • NII書誌ID
    AA11519621
  • DOI
    10.15017/4772271
  • HANDLE
    2324/4772271
  • ISSN
    13462717
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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