脳卒中後の運転再開時におけるブレーキ急制動操作の安全性を運動生理学的観点から検討した一例
書誌事項
- タイトル別名
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- Exercise physiological changes during operation of the brake pedal in a hemiplegic stroke patient-A case study
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説明
【緒言】障害者の社会参加に自動車運転は欠かせないが、ペダルの不適切操作が事故につながる可能性がある。脳卒中後遺症による片麻痺患者では、ブレーキペダル操作を患側下肢もしくは健側下肢で行うが、その安全性を検証することは重要である。【対象および方法】脳出血後21カ月経過した右不全麻痺の57歳男性患者(下肢Brunnstrom Recovery Stage Ⅴ、足関節底屈筋のModified Ashworth Scale 1+)を対象に、三次元動作解析装置(myo MOTION)と表面筋電図(Telemyo DTS)を用いて、自動車ブレーキペダル急制動操作の特徴を解析した。下肢操作はアクセル緩解期と踏み替え期に相分けし、運動学的データと筋活動データを算出した。なお、対照群として年齢をマッチングさせた健常者3名のデータを使用した。【結果】反応時間は、右下肢0.68秒、左下肢0.53秒と、右下肢が左下肢よりも遅く、左下肢は健常者左下肢(0.51秒)と同程度であった。踏み替え期の足関節ピーク背屈角度は、右下肢8.0°、左下肢18.3°と、右下肢は左下肢よりも小さく、左下肢は健常者左下肢(17.8°)と同程度だった。足関節ピーク背屈角速度は、右下肢195.7°/秒、左下肢350.8°/秒と、右下肢は左下肢よりも遅く、左下肢は健常者左下肢(321.6°/秒)と同程度だった。前脛骨筋とヒラメ筋の同時活動時間割合は、アクセル緩解期で右下肢26.5%、左下肢24.7%と、右下肢と左下肢は同程度で、両側下肢で健常者左下肢(12.7%)よりも高値を示した。踏み替え期では右下肢66.3%、左下肢60.5%、健常者左下肢61.3%と、いずれの下肢においても同程度であった。【結論】脳卒中後遺症患者では、健常側下肢においても前脛骨筋とヒラメ筋が同時収縮しており、誤操作が生じてしまう可能性があるため、ペダル操作肢の交換には注意が必要である。
収録刊行物
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- 日本交通科学学会誌
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日本交通科学学会誌 20 (2), 23-29, 2021
一般社団法人 日本交通科学学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390291767712988928
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- ISSN
- 24334545
- 21883874
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可