保険信用について
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- 永井 治郎
- 元安田火災
書誌事項
- タイトル別名
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- ―17世紀イングランドにおける近代保険生成の一齣―
抄録
<p>近代火災保険は,17世紀イングランドに広く浸透した信用観の下に,1つの信用制度として誕生した。そのため黎明期のいずれの保険会社も保険信用を確実強固なものにする対策を講じたが,その方法には大別して,物的保証を設けるものと人的保証に拠るものとがあった。いずれの方法をとるかは,創業時の資本蓄積の有無によって決められた。そして物的保証を採用したThe Fire Officeは,商品世界の物神性がもたらす「擬制利子」を得て,保険業務自体から利益を収得したが,人的保証を採用したFriendly Societyは,その余地がなく,保険業務外に利益を求めねばならなかった。こうして営利保険(proprietary)と相互保険(mutual)という2つの企業形態が誕生するのであって,そこには中世ギルド共済の影は全く見当たらないのである。</p>
収録刊行物
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- 損害保険研究
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損害保険研究 82 (1), 237-260, 2020-05-25
公益財団法人 損害保険事業総合研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390291767777034368
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- ISSN
- 2434060X
- 02876337
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可