顔と色の対応関係について

抄録

<p>顔に相応しい色について検討した。30名(女性13名,男性17名)の被験者に対し実験を行った。被験者は37枚のモノクロ顔画像の顔に相応しい色をカラーパレットから選択した。また,顔画像の人の印象を「信頼できる」「支配的な」などの15尺度で評価した。結果は,女性の顔には赤っぽい色が,男性の顔には暗い色が相応しいとされる傾向が見られた。さらに,顔画像と選択された色の分割表を作成し,それに対して対応分析を行い,4次元の布置を得た。さらに,布置の座標値がスパースになるように軸を回転した。回転後の布置の第一次元は,ピンク・赤紫と,魅力的で思いやりのあると感じられる顔に関係していた。第二次元については,正の方向は黒・茶と,攻撃的で,興奮しやすいと感じられる顔に関係し,負の方向は青と,知的で,感情的に安定に見える顔に関係していた。第三次元は,水色・明るい灰色と,知的な顔に関係していた。第四次元は「支配的」−「思いやりのある」という顔の印象の対立とそれに関係する色を表す次元であった。顔に相応しい色は,「思いやりのある」「知的」「感情的に安定」「支配性」などの顔の印象に合う色であることが示唆される。</p>

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