副鼻腔炎症例における血清黄色ブドウ球菌エンテロトキシン特異的IgEの検討

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  • Study of serum staphylococcal enterotoxin-specific IgE in patients with sinusitis

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<p>黄色ブドウ球菌エンテロトキシン(Staphylococcus aureus enterotoxin:SE)は,自然リンパ球などを介して,好酸球性副鼻腔炎などのいわゆる2型炎症に関与する可能性が以前より指摘されている。今回,2018年3月から2021年1月に当科を受診し,血清SE特異的IgE(以下,血清SE-IgE)を検査した副鼻腔炎症例計78例を対象として,血清SE-IgE陽性率,血清SE-IgE陽性群・陰性群における末梢血好酸球,総IgE,各種抗原のImmuno CAP,ならびにJESRECスコアなどの臨床像を比較検討した。</p><p>その結果,血清SE-IgEは全体で14.1%(78例中11例)の陽性率を示し,そのうち好酸球性副鼻腔炎の血清SE-IgE陽性率は26.8%(9/41例)であり,非好酸球性副鼻腔炎の血清SE-IgE陽性率5.4%(2/37例)より有意に高値であった。また,血清SE-IgE陽性群では,JESRECスコアが有意に高値を示し,末梢血好酸球,総IgEも高値の傾向にあった。さらに血清SE-IgE陽性群では好酸球性中耳炎の合併が多い傾向もみられた。</p><p>以上より,副鼻腔炎症例において血清SE-IgEが好酸球性副鼻腔炎における2型炎症の病勢を反映し,その病態に関与するという考えに矛盾しない結果となった。</p>

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