日本の卸売企業進化の経営史的検討の試み

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タイトル別名
  • A study of Japanese wholesale firm evolution from the perspective of business history:
  • Reconsidering both the theory of “the revolution of distribution” and the model by A.D. Chandler, Jr.
  • ―『流通革命』論とチャンドラー所説の再検証―

抄録

<p> 本稿では,筆者の考える経営史的な視座と方法を説明し,それによって比較的研究蓄積の乏しかった日用品のメーカーの中間流通戦略や中間流通企業に焦点を当てて検討してきた研究の蓄積を基礎に,林周二の『流通革命』とアメリカ経営史のチャンドラーによるメーカーと中間流通企業の歴史的関係に関する所説の再検討を試み,「問屋有用論」を唱える卸業界EDI企業の経営者の所説も紹介した。また,日本の近代以降の長期の歴史のなかでの卸売企業の位置づけの変遷を概観し,川上と川下の双方からの圧力が強まるなかで卸売企業の成否を分けた諸要因についても検討した。成否を分けた大きな要因の1つは,『流通革命』を警鐘と受け止めた次世代の若手経営者の情報交換や,彼らによる垂直的・水平的競争を勝ち抜くための機能向上と経営近代化の戦略と投資であり,それらを実現する人材の確保であった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390291767802476032
  • DOI
    10.51102/jmhr.1.1_105
  • ISSN
    24368342
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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