戸塚廉の生活教育における功利と科学
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- 中西 修一朗
- 大阪経済大学
書誌事項
- タイトル別名
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- A Study on Ren Totsuka’s Writing Education Theory and Practice
- 綴方指導に焦点を合わせて
抄録
<p> 本稿では功利と科学を理念に掲げた,1930年代の戸塚廉の雨桜小学校における生活教育実践を検討した。 先行研究の多くは,戦後の戸塚の回想に依拠しているため,戦前の実践の全体像を把握できず,またそのために野村芳兵衛の継承者という位置づけや教育運動,学校外での地域教育実践のみを扱っている。本稿では,野村の教育論との異同を検証するとともに,戦前の戸塚の記録に基づいて,その実践の独自性を分析した。</p><p> 野村と戸塚はともに功利の重要性を論じている。しかし,野村が功利を自明視し,子どもの利己的な行動を否定していたのに対し,戸塚はむしろ子どもたちの利己的な言動を前提とし,その原因を考えさせることによって功利を形成しようとした,という差異が浮かび上がってくる。この指導において戸塚が用いたのが綴方であった。戸塚の綴方指導は,自由に書く綴方と,新しい課題主義による綴方に分かれていた。 子どもたちが多様な観察を持ち寄ること,観察にもとづいて合理的に思考すること,その合理性を集団で確かめあうことを通して,科学性を保障された認識を育み,功利へと至ることを期待していたのである。 さらに戸塚の実践には,もう一つの綴る活動として学級新聞が存在した。これは,子どもたちが学級をめぐって生じる諸問題を自分たちの課題として取り上げ,行動する契機となっていた。</p>
収録刊行物
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- 教育方法学研究
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教育方法学研究 46 (0), 61-72, 2021-03-31
日本教育方法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390291767813437568
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- ISSN
- 2189907X
- 03859746
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可