アンチセンス核酸を利用した新型コロナウイルス感染症の治療戦略
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- 林 淳祐
- 大阪医科薬科大学薬学部
抄録
アンチセンス核酸(ASO)はmRNAに相補的な配列を有するオリゴ核酸であり,核酸医薬としての利用が進められている.古典的なASOは,RNA分解酵素であるRNase H 依存的にRNAを切断することで作用を発現する.また,近年スプライシング工程において特定のエキソンスキップを誘導し,作用を発現するASOも医薬として利用されており,ASOを利用した治療戦略が,今後さらに拡大することが期待できる.<br>RNase Lは,自然免疫系におけるRNA分解酵素であり,2́-5́結合テトラアデニル酸(4A2-5)などのリクルーター分子によって二量体となることで強いRNA分解活性を示す.近年,標的RNAの選択性を向上させるためにRNA結合性の低分子と4A2-5を結合させた分子が開発されているが,標的RNAを低分子で正確に認識することは難しい.これらの背景から,TangらはRNAの認識分子としてASOを利用して,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクRNA(S-RNA)を標的としたASOと5́-リン酸化4A2-5を結合させたキメラ分子を開発し,本分子のシュードSARS-CoV-2感染細胞における抗ウイルス活性を報告した.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Costales M. G. et al., J. Am. Chem. Soc., 140, 6741-6744(2018).<br>2) Su X. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 60, 21662-21667(2021).<br>3) Xiong H. L. et al., Emerg. Microbes Infect., 9, 2105-2113(2020).
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 58 (4), 357-357, 2022
公益社団法人 日本薬学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390291767818269696
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可