乳癌の眼部転移の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • One Case of Ocular Metastasis of Breast Cancer
  • ニュウガン ノ ガンブ テンイ ノ 1レイ

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抄録

<p>70 歳,女性。初診の 8 年 2 カ月前に右乳癌根治術を施行された。浸潤性小葉癌であった。術後,化学療法とホルモン療法を施行していたが,胸膜および軟部組織に再発し,水腎症,閉塞性黄疸を併発した。初診の 1 カ月前に左眼瞼下垂が出現し,左眼瞼の紅斑を主訴に紹介された。左上眼瞼に浸潤を触れる暗紅色斑を認めた。眼瞼からの生検にて E カドヘリン陰性,34βE12 陽性の腫瘍細胞を認め,原発巣と一致したため浸潤性小葉癌の転移と診断した。放射線療法を開始し,眼瞼の腫脹は消退したが,初診の 4 カ月後に死亡した。悪性腫瘍の眼科領域への転移はまれである。原発巣は乳癌が最も多く,乳癌の中では浸潤性小葉癌が多い。癌治療の進歩とともに癌患者の生存期間は延長しており,眼科領域転移も今後増加すると思われる。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 84 (1), 53-55, 2022-02-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (3)*注記

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